研究内容

 本研究室においては、(1)環境技術(2)環境・プロセスデザイン(3)ナノ秒技術(4)3Dナノテクノロジー(5)新規プロセス開発の5つのテーマに取り組んでいます。
 指導教員の中山は、金属工学科、応用化学科、電気電子情報工学科、機械工学科などの学科で学んできた経験を有していますので、これらの分野のどの分野を背景に持つ学生さんでもそれぞれに適した研究を提案することができます。また、基礎研究から、社会にすぐに役立つ研究まで幅広い研究テーマに取り組んでいます。特に高専卒の学生さんはモノづくりを実感できたり、実用化への道筋が分かりやすいテーマが好きな学生さんが多いので、そのようなテーマを多く設定しています。

研究内容

(1) 環境技術

1. 環境低負荷型のプロセスの開発

産業用ロボットが発達し、省力化すればするほど、どんどん製造時のCO2排出量が増えてしまうというジレンマが生まれています。これだけ省エネが進んだ我が国ですら、二酸化炭素排出の28%が産業部門によるものです。本研究室では、省力化と環境低負荷を両立した新たなプロセスの提案と実証を行っており、このようなものづくりにおける総合的なエネルギーマネージメントに関する取り組みも本研究室においては推進しています。

(2) 環境・プロセスデザイン

1. 循環型社会システム構築

わが国では、高度にスマートな社会づくりとしてSociety 5.0の提案を行っています。本研究室においても、ITを様々な社会システムと融合した循環型の社会システムの構築に向けた提案と実証を行っています。

2. 環境浄化技術

本研究室においては、これまで、低温で大気中の汚染物質を浄化することの出来る触媒材料の合成や、水を浄化するための大きさのそろった微細な穴の開いたセラミックスフィルターの製造、液中プラズマ法による汚染水の浄化などの課題に取り組んできました。直近では、これらに加え、カタールからの留学生を中心に、近年環境問題がクローズアップされているペルシャ湾の水質改善に関する取り組みを行っています。

3. エネルギー変換・蓄積技術

本研究室では、太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池などの電池材料の改善に関する研究に取り組んできました。近年では従来にない新たなコンセプトによるエネルギー変換技術や、蓄熱技術に取り組んでいます。これらの技術は電気・機械・化学・材料など多くの研究分野の境界領域であるともいえますが、このような境界領域は本研究室の最も得意とする分野といえます。また、エネルギーを変換したり、蓄積することも重要ですが、それをうまく運んだり分配することも重要です。我々は熱エネルギーの運搬や分配に関する技術(=サーマルマネージメント)についても取り組んでおり、サーマルマネージメント材料の分野において多くの成果を上げています。

2. イノベーション創出スキームの提案

シェアリングエコノミーや循環型社会など新たな社会のしくみづくりの提案と実証研究を行っています。このような取り組みは、大人数を対象にするとなるととても実証が困難です。そこで、我々は比較的小さなコミュニティ(地方都市・鹿児島県長島町やモンゴル国)をターゲットとし、これらの地域におけるスマートな社会システムに必要な技術開発を進めています。

(3) ナノ秒技術

1. パルスパワー技術

本研究室は、極限エネルギー密度工学研究センターというセンター内で実験をしています。このセンターはパルスパワーに関する世界でも有数の研究室です。様々なパルス電源を開発し、それを用いた利用技術に取り組んでいます。電源設計が好きな人もいますが、本研究室の多くの学生はこの特殊な電源を利用して新しい材料を作ったり、環境を浄化したりする利用技術の開発の方が盛んです。

2. 協奏場形成技術

加熱と超音波や、電場と毛細管力など、複数の「場」が組み合わさることで新しい化学反応やプロセスを生み出すことができます。我々はこのような複数の場を組み合わせることで新規な環境浄化方法や材料プロセスを開発しています。

(4) 3Dナノテクノロジー

1. セラミックス科学と高機能材料

本研究室の中山は大阪大学在籍時から新原晧一先生(前、本学学長)の研究グループにおいてナノコンポジットという材料設計概念に基づく開発研究を行ってきました。このナノコンポジットのコンセプトは、いわゆる複合材料とは一線を画したもので、これまでセラミックスの基本単位構造であると考えられてきた結晶粒の内部の構造をさらに制御することによって、セラミックス材料が有する様々な特性の向上が可能であることを提案するものです。我々はこの世界に先駆けて提案したコンセプトをさらに拡張展開し、このオンリーワン技術を磨いています。

2. ロボット用センサー開発

有機無機ハイブリッド材料の中には、圧力によって電気伝導性などの特性が変化するものがあります。我々はこの特徴を生かして、人間の触覚に相当する「感触センサー」へと実用展開しています。家庭の中で活躍できるロボットにおいては、安全性の確保やより高度な動きの制御の観点から、可動部表面の接触センシング能が必要不可欠です。我々はナノハイブリッド技術を駆使し、この問題の克服へチャレンジし、多くの実用展開に成功しています。

3. 三次元プリンタ技術

本研究室においては、μmレベルの精度を有するいわゆる通常の三次元プリンタに加え、二光子励起法というフォトリソグラフィの手法を用いたナノレベルの三次元プリンタを用いて研究を行っています。マイクロレベルの三次元プリンタは主に装置のパーツの試作検討に、ナノレベルの三次元プリンタはナノレベルで自由自在に好きな形を造形できるので、ナノマシン、ナノバイオ、ナノ流路、ナノフィルターなどの分野に適用しています。

4. ナノバイオ&次世代農業用ナノテク技術

バイオテクノロジーとナノテクノロジーは非常に融合性の高い技術であり、これらの融合研究は工学部だけでなく、医学部、薬学部、農学部、理学部など、多くの研究者が取り組んできている熾烈な研究領域でもあります。本研究室においては、ナノ秒パルス場や、ナノコンポジット、ナノハイブリッドなどのオンリーワン技術を有していることから、これらの技術とバイオテクノロジーの融合した独自の研究を推進しています。過去にはコレステロールセンサーなどのバイオセンサーに関する研究を行ってきました。近年では特に"Precious Matter"(直訳すると貴重な物質)と呼んでいる、ある特定の細胞において合成される医薬品の原料となる分子の抽出技術や、次世代農業のためのナノテクノロジーによる新展開などについて取り組んでいます。

(5) 新規プロセス開発

1. 材料創生プロセス開発

本研究室においては、これまで多くの独自の材料合成、組織制御プロセスを開発してきました。例えばナノ秒パルス電場を用いた材料合成や組織制御、ナノ材料のモーションコントロールなどが代表的なものです。近年ではハイスピードカメラなどの超高速計測技術も発展しており、これらのプロセスの現象解析やシミュレーション技術の活用も進めており、闇雲にパラメータを振るのではなく、より効率的な研究体制を構築しています。

2. 次世代ものづくり手法開発 (Industrie 4.0)

近年、世の中の様々なモノにセンサーを取り付け、これから得られるデータをネットワークで集積させ、この膨大なデータ(ビックデータ)を解析することで新たなソリューションを提供するという考え方(Internet of Things ; IoT)をモノづくりの製造現場に取り込むという製造革命(Industrie 4.0 ※"Industrie"はドイツ語です。アメリカではIndustrial Internetなどとも言われます。)のコンセプトが進んでいます。このような技術を進めていくことで、これまで熟練の技術者にしかできなかったような高精度のモノづくりがロボットでできるようにもなってきていますし、なぜか突然不良品が出始めた時にもその原因解析が速やかになされるようになっています。本研究室では、このような新しいモノづくりの手法を材料創生プロセスに適用する取り組みを行っています。

連絡先

〒940-2188
新潟県長岡市上富岡町1603-1
長岡技術科学大学
技術科学イノベーション専攻

中山:機械建設1号棟305室

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長岡技術科学大学
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