東京電力柏崎刈羽原子力発電所見学
日時:平成13年7月18日(水)午後1時〜午後5時
見学者:原田先生、末松、ほか発変電工学、核エネルギー工学受講学生47名
見学場所:サービスホール、6号炉炉心、中央制御室、タービン室
参照:東京電力
1 炉心10メートル上
管理区域内部で、放射線の強さは、外部の約8倍です。タービン室はここの10倍、タービン近傍は、ここの100倍でした。前列左から3人目が、見学をアレンジしてくれた北村さんです。(末松の大学時代の2年先輩です)
2 中央制御室
なんと中央制御室内部に入れてもらいました。案内してくれた関澤さんです
この2つの席のタッチパネルから、原子炉のすべての操作ができます。タッチパネルに異常が生じた場合には、その先の大パネル下の制御板から操作します。
中央制御室の捜査員名簿です。7割は新潟県出身、2割は福島県出身です。地元の雇用創製に気を配っているのがありありと現れています。
3 東電への質問
Q. なぜ柏崎を発電所建設地として選んだか。
A. 岩盤がある海沿いであればどこでも良い。柏崎市は、石油産業が衰退した後大きな産業が無くなったため、市議会が誘致してくれたことが大きな理由。また、万一のトラブルの際、リスク係数と人口をかけたトータルのリスクが、人口密集地より少ないことも考慮に入っている。
Q. タービンの発電器はなぜ水素で冷却されているのか?
A. 最も軽いガスであるため、熱伝導度が良く冷却性能に優れ、かつ、空気抵抗が少ないからです。
Q. プールサーマルに反対の住民投票がでた刈羽村の意見をどう思うか
A. 真摯に受け止める。今後住民との対話の機会を増やす。
Q. 238Puの温度係数は負だが、235Uのそれよりだいぶ大きいことによる運転状態の違いはないか
A. 温度係数をうち消すようにほかの部材の設計を微妙に変えている。それよりボイド係数の違いによる効き方が大きい。
Q. 燃焼による空間的、時間的な濃縮度の変化による運転条件の違いはあるか。
A. 1時間に一度1/4モデルで拡散方程式を数値的に解いてチェックしている。数値計算は随時行うことも可能。
末松のコメント:
以前は事故が起きる可能性については全く話していなかったのが、今回は事故のリスクについてコメントしていた。この違いは、JCOで臨界事故が起きてしまい、絶対の安全はないということが社会に知られてしまったからであるとおもう。これは当たり前であるが、以前は口にすることすら許されなかった”タブー”であったはずだ。この違いは大きい。”人はミスを犯す”。問題はミスを犯した後、どのように対応するかです。