東京電力柏崎刈羽原子力発電所見学

日時:平成14年7月25日(木)11:30〜16:30

見学者:原田先生、末松、ほか発変電工学、核エネルギー工学受講学生33名

見学場所:サービスホール、7号炉炉心、中央制御室観覧室、タービン室

参照:東京電力

 

本年は同時多発テロ後、警備が厳しくなった後の見学となりました。よって、去年と異なり、原子炉内部の写真撮影は許されませんでした。

1 シアター

なんと、アシモ君がお出迎えです。3Dとコンピューターグラフィックスを使って、発電所内部を説明してくれました。見学中窓がない建物の中を移動するので、ともすればどこにいるかわからなくなってしまうのですが、これでよくわかりました。

 

 

 

2 サービスホール

原子炉の模型の前で、燃料と制御棒について説明してもらっています。

この後原子炉、タービン建家内に案内してもらいました。警備がいかに厳重かを、特に強調されていました。実際、沖に白い船体の海上保安庁巡視艇と思われる大型船が遊弋していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

3 東電への質問

Q. 発電所の建設、解体にはいくらかかるか、ゴミはどれくらい出るか

A. 建設に3000億円、解体に600億円かかる。ゴミは50万トン出て、そのうち放射性廃棄物は1万トンとなる予定。

 

Q. BWRとPWRの生体遮蔽壁の違いは、

A. BWRでは、圧力容器内、シュラウドの外側に沸騰しない水が常にある。これが中性子の遮蔽に役立っている。PWRにはこれがなく、生体遮蔽壁を厚く設計している。

 

Q. プルサーマル行って事故が起きた場合、被害は変わると思うか

A. 差がないと考えている

 

Q. プルサーマルを行う上で、最大の問題はなにか

A. 地元の理解。社内で伝道師を増やすようにしているが、技術的な対話集会が感情的な対決集会になってしまうこともあり、簡単ではない。

 

Q. 238Puを使う上で、設計の違いはあるか

A. 燃料集合体の真ん中にある水の体積を多くし、235Uの温度因子との差を少なくし、同じように運転できるようにしている

 

Q. 炉内の燃料の濃縮度に変化を持たせているか

A. BWRでは上部の水の70%近くが蒸気となってしまい、減速に寄与しないため、燃え方が悪い。よって、上部には濃縮度の少ないペレットを入れる。

 

末松のコメント:

核エネルギー工学受講生の見学は、今回で2年目だったため、今年はこれを組み込んだ講義の内容をあらかじめ計画できました。たとえば、均質炉の臨界計算は勿論のこと、この前の週にガンマ線の1/10価層の厚さを計算してもらったり、中性子の遮蔽材を調べたりするレポートを出しておいたので、実地でそれを体験できて教育効果が上がったのではないかと自負しています。

 

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