事業推進者:中山 忠親(Nakayama Tadachika) | |
学歴: |
ナノプロセスの開発と環境・生体・エネルギー分野への展開
長岡は、火焔式土器の発掘によって知られているように、古代からセラミックスになじみの深い地域です。本学には多くのセラミックス研究者が活躍
しており、当該分野において本学は世界的な研究拠点の一つとして認知されています。
本研究グループにおいても、セラミックスのプロセス開発、微細構造解析、機能評価の一連の流れについて研究を行っております。その研究内容は多岐に渡り、例えば極限環境下で利用する構造セラミックスや、太陽電池および燃料電池などのエネルギー変換セラミックス、ポリマーとセラミックスの長所を兼備するナノコンポジットなどについて取り組んでいます。
ナノ秒パルス電場におけるセラミックス異方構造フィラーの配向制御プロセス開発
スマートフォンやネットブックなど、超小型携帯端末においては、耐衝撃性、放熱性、絶縁性に優れ、軽量な部材が多く使用されています。これらの特性は互いに相反するものであり、単一の物質ではこれを実現することは出来ません。本研究室においては、熱伝導に異方性を有する高結晶性の窒化ホウ素ナノシートの合成に成功しており、この材料をポリマー中に巧みに配置することにより、この相反する特性を発現させています。(図1参照)
また、本研究室において独自に開発されたナノ秒パルス電源を用いることで、局所的で効率的な電場配向装置を自作し、この装置によってポリマー中のフィラーの配向度を制御しています。
(Journal of the Ceramic Society of Japan, vol.118 (2010) pp.66-69, Express Letter)
ナノインプリント法によるセラミックスへの人工微細構造付与
シリコンデバイスなどの電子デバイスにおいては、フォトリソグラフィーや電子ビームリソグラフィなどの手法によって、ナノオーダーの微細構造付与が実用化しています。これに対し、セラミックス焼結体においては、コスト面の問題などからそのような微細構造付与についての事業展開が妨げられてきました。本研究グループにおいては、セラミックス焼結体表面にナノレベルの人工微細構造を付与するために、ブルーレイディスクのピットの製造方法であるナノインプリント法を応用し、その具現化に成功しています。(図2参照)
(Journal of the Ceramic Society of Japan, vol.117 (2009) pp.534-536, Express Letter)
図1,ナノ秒パルス電場によるナノシート配向制御例 |
図2,ナノインプリント法によるセラミックス焼結体表面への微細構造付与 |