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細胞表面糖タンパク質による細胞増殖の制御機構の解明

名前と所属


Murugesan 研究アドミニストレータ:田所 友美(Tadokoro Tomomi)

最終学歴:
2007 東京理科大学大学院理工学研究科 博士(理学)取得
職歴:
2007-2008 弘前大学大学院医学研究科・糖鎖工学講座・助教
2008-2010 JSTイノベーションサテライト新潟・研究員
2010- 長岡技術科学大学 ・教育研究支援

研究内容

私は現在まで、マウス繊維芽細胞における密度依存的な細胞増殖の制御機構について、細胞表面糖タンパク質と糖鎖結合タンパク質に着目し研究を進めてきました。まず、細胞表面のガラクトースが密度依存的に増加し、細胞増殖制御に関与することを明らかにしました。次に、高密度になるとガレクチン-3が細胞内から細胞外に移動し、細胞表面の接着分子であるVCAM-1とガラクトースを介して結合し、細胞の増殖を抑制していることを明らかにしました。  一方、SV40ウィルスによってガン化したマウス繊維芽細胞のSV-T2細胞でVCAM-1が消失していることを見つけました。この細胞にVCAM-1の遺伝子を導入すると足場非依存性の細胞増殖(ガン細胞の特徴)が顕著に抑制され、ガン化で活性化するPI3K/Akt経路、Stat3、Small GTPaseの活性化が抑制されることを明らかにしました。以上の結果から、VCAM-1は正常な細胞の増殖制御に重要な役割を担っていると考えられます。  このように、糖タンパク質や糖結合タンパク質の細胞増殖制御における役割を詳細に解析することにより、ガンに対する効果的な治療法を考案しようと、日々研究を行っています。

接触阻害の図