TA・RA

PCB分解遺伝子の転写抑制機構の解明

名前と所属


荒木直人 荒木直人(Araki Naoto)
生物統合工学専攻

最終学歴:
新潟工科大学工学部卒業
長岡技術科学大学大学院工学研究科修了

研究テーマ

諸言
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は人体に対する有毒性が認められ、現在使用されていませんが、極めて分解されにくいため環境中の汚染処理が問題になっています。 私達の研究グループは世界トップクラスの強力なPCB分解菌 (RHA1株) を取得し、その分解能力の秘密を遺伝子レベルで研究してきました。現在までにPCBはその基本骨格であるビフェニルの分解経路を利用して分解され、RHA1株は実に多種多様なビフェニル分解に関与する遺伝子を持っていることを明らかにしてきました (図参照)。さらにそれら遺伝子機能はビフェニルが存在する条件下で発現させるような専用のシステムによって調節されることも分かりました。

 

研究内容

私はビフェニル分解遺伝子の発現を強化するという視点で研究をしています。本研究において、ビフェニルが存在するのにも関わらずグルコースがあるとビフェニル分解が抑制されることを見いだしました (図参照)。これは強力なPCB分解能力を有していても、グルコースをはじめとする環境中の他の物質によってその分解能力を発揮できなくなる可能性が考えられます。本研究では様々な環境因子からの抑制作用を受けない効率的なPCB分解菌の創造を目的として、グルコースという因子を対象にそのビフェニル/PCB分解抑制の仕組みを解明することを目指しています。