TA・RA

超音波を用いた プロセスモニタリング手法の 要素技術開発(仮題)

名前と所属


高橋 学(Takahashi Manabu)
材料工学専攻

最終学歴:
2002年 長岡技術科学大学修士課程修了(環境システム工学専攻)
現在 東北大学博士課程在籍(土木工学専攻)
職歴:
2002年 (株)西原衛生工業所 現場担当
2004年 (財)ひろしま産業振興機構 広島県産業科学技術研究所 研究員
2006年 三機工業(株) 研究員
2009年 長岡技術科学大学 教育研究支援員

研究の背景と概要


工学・工業の幅広い分野において、物体の状態をリアルタイムでモニタリングしたいというニーズは数多くある。例えば、高温場での材料加工・成形プロセスにおいて材料内部の温度分布や力学特性を定量的にモニタリングすることは、その最適プロセス制御を実現するために不可欠である。これまで、そのような要求に応えるべく先端超音波手法の創成と応用に関する研究を行ってきた。特に、基礎研究成果の実用化を念頭に置き、いくつかの企業との共同研究に従事した。主な成果は下記のとおりである。

(1)超音波による物体内部の温度分布同定法の創成
超音波を用いた物体内部の温度分布の同定法を開発した。まず、超音波による温度分布同定に関する基礎的な検討を行い、その有効性を鋼板の加熱、冷却実験によって検証した。本手法は既存の温度センサー(熱電対や赤外線)を用いることなく“物体内部”や“高温の材料”の温度分布とその変化をリアルタイムでモニタリングできるという特徴があり、その応用が高く期待されている。

(2)超音波を用いた溶融金属および鋳造プロセスのモニタリング
高温場の超音波計測を実現するために、バッファーロッド法を駆使した新規なセンサーを開発し、これを溶融金属(溶融亜鉛など)に適用し、介在物モニタリングなどにおけるその有効性を検証した。次いで、鋳造プロセスのオンラインモニタリングについて検討した。低融点合金を用いた鋳造工程の模擬実験を行い、上記(1)で開発した温度同定法を活用することで、金型および凝固金属内の温度分布の計測に成功した。

(3)レーザー超音波法による高温場の非接触モニタリング
図1に示すような表面温度分布を有するアルミ板に対して新規なレーザー超音波法を適用し、上記(1)の温度同定手法を活用することで、図3に示すような温度分布のモニタリング結果を得た。本手法を用いるメリットとして、物体表面の赤外線放射の影響を受けずに測定が出来る点や、時間応答性に優れた測定が可能なことが挙げられる。

図1 レーザーを用いた非接触の超音波計測

図2 超音波法により同定されたアルミ板表面の温度分布の変化

(4)安全な非接触超音波モニタリングの試み
非接触超音波法の活用として、より安全な空気超音波法の適用について検討した。空気超音波法による非接触スキャニングを行い、溶接部近傍の詳細なイメージング画像を得た。

スポット溶接部の外観

a) スポット溶接部の超音波計測

b) スキャニング装置の概要

超音波透過強度の分布