町田 敬(Machida Takashi) エネルギー・環境工学専攻 後期博士課程 |
|
日本においては、国土の50%が豪雪地帯に指定され人口の15%が雪に接した生活を営んでいる。また、雪は貴重な水資源やスキー場、雪祭りなどの観光資源となって有益をもたらしている一方、雪崩によってこれまで多くの尊い命が奪われてきた。このような、雪崩災害を未然に防ぐための対策として、防雪施設の設置や回避行動などと併用した爆薬を用いた人工雪崩が日本においても昭和47年から行われてきている。だが、長年にわたった暖冬少雪や防雪施設の普及により近年の施工回数は減少しているが、大雪時や防雪施設が整備されていない地域においては、人工雪崩による対策が未だ必要である。だが、人工雪崩の技術は経験的に普及したのみであり、現在まで手法の確立が行われていない。
日本の雪の特徴として湿雪多雪であることが挙げられ、これに対応するために積雪中に爆薬を埋設して人工雪崩を誘発させる手法が採られている。しかしながらこの手法は、爆薬量、埋設深さ、装薬配列のバランスが重要である。一装薬当たりの爆薬量が多く埋設深さが浅すぎる場合や配列間隔が広すぎる場合は、積雪層の破壊が極端に減衰してしまい雪崩誘発に至らない。
本研究では、基礎実験として図1に示すようなロードセルや騒音計などの圧力測定機器を用いて発破により生じる圧力の測定を行なっている。
図1 衝撃圧と音圧の計測概要図
| ||
図2 発破後の積雪断面 | 図3 発破前の面状況(赤点が装薬箇所) | |
図4 発破後の斜面状況 |